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リアリスト・ワールド
―― 米中の覇権競争が左右する世界

スティーブン・コトキン プリンストン大学教授(歴史学)

Realist World: The Players Change, but the Game Remains

Stephen Kotokin
アメリカの歴史家。プリンストン大学教授(歴史学)で、フーバー研究所の研究員。最近、フォーリン・アフェアーズ誌で「スターリンとヒトラー――二十世紀を分けた独裁者の思想と地政学戦略」「(2017年11月号掲載)」を発表している。

2018年7月号掲載論文

この1世紀で非常に深遠な変化が起きたとはいえ、現在の地政学構造は、一つの重要な例外を別にすれば、1970年代、あるいは1920年代のそれと比べて、それほど変わらない。それは、アジアのパワーバランスの鍵を握るプレイヤーとして、中国が日本に取って代わったことだ。中国が力をつけているのに対して、アメリカとその他の先進民主国家は政治が機能不全に陥り、将来に向けてパワーを維持できるかどうか、はっきりしなくなっている。もちろん、現状から直線を引いて今後を予測するのは危険だが、中国の台頭を予見した19世紀初頭の予測は、間違っていたのではなく、時期尚早なだけだったのかもしれない。すでに中国の勢力圏は拡大を続けており、現在問われているのは、中国が他国を手荒く扱ってでもルールを設定・強制しようするか、あるいはアメリカがグローバルなリーダーシップを中国と共有していくかどうかだろう。

  • 米中が規定する世界
  • グローバル化の光と影
  • 米中関係と台湾
  • 覇権対立を回避するには

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